バランスボール TOP > 中高年のバランスボール > 中高年のトレーニングの目的
40歳を超えてもオリンピックを目指すぞ、って方や、70歳でエベレスト登頂、という方はともかく、中高年齢者が運動によって目指すものは何でしょうか。 もちろん、筋力アップであったり、すばやい身のこなしというのも立派な目標です。
しかし、日常生活において、プロレスラーやインストラクターのような筋肉はむしろ邪魔。ボディビルダーのような作られた筋肉は消費カロリーも多く、 付きすぎた筋肉のために柔軟性が失われる場合があります。
では、何が理想でしょうか。
ひとつのお手本はイチローのような身体。決して大柄でも、 筋肉モリモリでもない彼が、大リーグで活躍できるのはなぜ でしょうか。
それは、類まれな運動神経と視覚能力もさることながら、 何にもましてバランスの取れたしなやかな体が彼の武器 なのです。 全身をムチのように使う、彼の「振り子打法」はその象徴です。
運動神経はまねできないとしても、中高年が目指す理想の身体とは、
「バランスの取れた身体」
たとえば、ひざが痛いだけでも、身体全体の バランスが崩れます。
右のひざが痛いとしましょう。その痛みをかば うために、左ひざに負担がかかり、体の左右の 均衡が狂います。その影響は腰に及び、不自然 な姿勢は猫背の原因ともなります。
また、ついつい歩くのが億劫になり、運動不足や代謝力の低下につながり、生活習慣病を招く場合すら起こりえます。
若いころなら、ひざ痛など考えられなかったの が、中高年のひざの痛みは、それだけでなく、いろんな症状を引き起こす遠因になってしまうのです。
目指すべきは「鍛える」のではなく「整える」、 「激しく」ではなく「楽しく継続する」のが理想です。
そのためのツールとして、安全で場所を選ばず、その人の体力に合わせて運動量を調節できるバランスボールは最適といえるでしょう。
ボール・エクササイズは、「ボールは丸くて、転がる」 という特性を利用したものです。
「不安定さ」が筋肉に緊張を強いり、バランスをとろう として無意識に多数の筋肉を連動して動かします。
「転がる」ことで、スムーズな姿勢の移動をサポートし、 無理なく体を回したり、動かしたりできます。
「弾力」が急激な負荷が体にかかることを和らげ、かつ、弾(はず)む楽しさを知ることで、運動を継続する動機となります。
ひとつの運動の回数の目安は5回です。 また、ストレッチなど静止する運動は10-20秒をひとつの目安にしてください。
ただ、中高年の運動にとって大事なのは「回数をこなす」ことではなく、「気持ちよく、無理をしない範囲で、続ける」ということなのです。
「気持ちはあるけど、体がついてこん」これが、われわれ中高年齢者の体の実情なのです。
競技としてのバランスボールの大会などでは、ボールの上にひざ立ちしたり、回転したりします。運動量も多く、バランス力を試される場面です。
しかし、こんなバカなことを、まねしてはいけません。 万一、転がって勢いが付いたボールから落ちると、大ケガをします。 受身も知らなくて、よろけた体を支えようと手をついたりすると、骨折することがあります。
中高年のわれわれは「スロー&ステディ(ゆっくりと確実に)」で行きましょう。
どんな運動であれ、気張ることは禁物。 呼吸が止まり、エネルギーの元である酸素の供給がなされないからです。
また、「ム、ム、ム、ム!」と青筋立てて気張ると、能力以上の瞬間的な力は出ますが、脳溢血などの危険と隣り合わせ。
バランスボール運動においても基本は同じ。
「鼻から吸い、ゆっくりと細く長く吐き出す」
息は吸うよりも、吐き出すほうが大事なのです。
呼吸を正しく行うことは、それだけでも運動になり、
無駄なカロリーを効率よく消化してくれるのです。
バランスボール運動の目的はさまざまです。特に女性は「ダイエットに効く」の一言に弱いでしょう。 サプリメントを摂取したり、岩盤浴を試したり、筋トレにチャレンジしたりと、その努力は敬服に値します。
が、部分部分を鍛えたり、汗として水分を排出しても、体重は一時的にしか減りません。回り道のようですが、身体の代謝能力を上げ、 脂肪をエネルギーとして消化するインナーマッスルを鍛えることが、リバウンドしないダイエットの秘訣なのです。
そんな身体のコンディションは、そう、若かったころのものとあきらめないでください。 バランスボール運動は、すぐに効果が出るものではなく、継続することによって、身体の状態をよりよい状態に戻し、バランスの取れた整体を目指すものです。
自然に深い呼吸をし、背筋を伸ばした状態で身体をキープでき、足腰が安定することによって、もし不要な脂肪や筋肉があるとすれば、身体はひとりでにその部分をそぎ落とそうとします。
なぜなら、自然体に近づいた身体は、母乳を飲む赤ちゃんがそうであるように、必要以上の栄養分を摂取することなく、余分なものを認識するという、本来持っていた能力を発揮しだすからなのです。
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